喀痰


【症例1】

主訴:痰がらみ、脳梗塞後遺症

現病歴:

診断:

 X左小脳梗塞発症後、自宅療養中だったが、X+1年再発し、脳外科病院に入院。その後リハビリを施行。退院後は在宅サービスを利用しながら自宅療養を続けていた。介護していた家族の入院で自宅療養困難となり、X+512月に介護施設入所となった。ADLは、右片麻痺あり杖歩行で見守り〜一部介助、その他も見守り〜一部介助。

現症:舌候、脈候、腹候見ていない

経過:

Day01 痰が絡み、自力で出すのが大変。去痰剤フドステイン処方。

Day14 やや改善されたがまだ不十分。

Day34 やはり痰がらみは続く。フドステイン止めて滋陰降下湯へ。

Day49 かなり改善され楽になったと。


    喀痰の漢方治療


 炎症が強く喀痰の粘調性が強い場合で、実証で咳嗽や喘鳴がある時は麻杏甘石湯、虚証で長引く消耗性疾患には清肺湯や竹茹温胆湯を用いる。粘調性の薄い漿液性の喀痰には小青竜湯、麻黄附子細辛湯、苓甘姜味辛夏仁湯などを用いる。

 喀痰の少なく口腔内が乾燥する乾性咳嗽の場合は、麦門冬湯や滋陰降下湯を用いる。